学生たちに”現代を生きる知恵”を与える「新居浜のお兄ちゃん」的存在。

新居浜市の中心地で、学習塾経営を行っている白石久祈(しらいし ひさき)さん。塾内では、勉強以外の相談に乗ることの方が多いと語ります。学校では教えてくれないことを教えてくれる先生として慕われている白石さんは、いわば”新居浜のお兄ちゃん”的存在。現在の生徒数は100名以上ですが、24歳のUターン直後は生徒1人からのスタートでした。本記事ではそんな白石さんのストーリーをお届けします。

新居浜という”ふるさと”への想いからマルチな活動を行う

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おしゃれな外観から学生たちの好奇心や意欲をかき立て、成功体験へと導く白修学院新居浜校。白石さんは、その代表として学習塾の運営を行なっています。

まず最初に、白石さんが普段行っている業務や、業務に関わる際の心持ちなどについて伺いました。

「学習塾は生徒と直接関わる仕事です。とにかく”生徒のことを大事に”ということをモットーとしています。」

加えて白石さんは、学習塾の運営を行いつつタオルの卸・小売業も行なっているとのこと。

「タオルの方は、インターネット上の業務になります。顧客の顔が全く見えないので、ある意味、学習塾とは真逆のことをしています。どちらの業務もそうですが、とにかく来てもらってる従業員さんに気持ちよく働いて頂くという事は、かなり心がけていますね。」

新居浜市のふるさと納税を盛り上げたいという想いをきっかけにタオル販売もスタートした白石さん。マルチな活動の根底には、”関わる人々を大切にする”という、白石さんの一貫した信念が垣間見えます。

打開策は、自らが身につけた”マーケティングの知識”と”学生たちへの想い”

学生たちに新しい視点や考え方を伝え、地元を盛り上げている白石さん。いくら地元とは言え、学習塾をゼロから立ち上げるのは容易ではありません。今でこそ生徒数も増加し、学習塾運営も軌道に乗っているとのことですが、やはり最初は苦心したそうです。

「今とは異なる場所で学習塾をスタートしました。もちろん、生徒数は少なかったですね。小さなきっかけを積み重ねて少しずつ生徒数が増えるといった感じです。学び始めてくれた生徒さんが友達を連れてきてくれたりと。そこから生徒数も多くない時期に今の場所に移転したので、最初は少し厳しかったですね。毎月の家賃も高くなりましたので。」

当初の厳しい学習塾の経営状況。地道な活動を進める中、過去に所属していた企業のマーケティング企画部で学んだ知識が経営に生きたと白石さんは言います。

「やはり、高校が近くにあるということ、そして誰が名前を聞いても”あぁ、あそこの塾ね”という風に分かって頂けるのは最大の広告になります。」

「新居浜に住まれている方であれば、必ず一言二言で場所が分かる。市役所の横とか郵便局の前などでも学習塾の位置が分かるので、例えば広告費を年間100万円打つよりも、そちらのほうがいいのではないか、と考えたのが一番最初でしたね。」

また、学生にとっては”勉強をする場所”という位置づけとなる学習塾ですが、白石さんの画期的な”アイデア”によってより親しみやすい場所へと変化していきます。

「学習塾といえば勉強をする場所なので、学生にとっては”行きたくないところ”というイメージが強いと思います。しかしうちの学習塾では、”学生が来たくなるような塾”にしたいというイメージを持っていました。」

「そういったことから、学習塾ではあまりない”スタディカフェ”というのを作りました。ジュースを飲み放題にして、ちょっと大人っぽい空間をみんなにも感じてもらい、それを目的として入ってくる学生が増えました。」

学生時代と言えば、誰もが大人の世界に憧れ、背伸びしたくなる年頃。白石さんはそんな学生たちの好奇心を汲み取り、学習塾におしゃれなスタディカフェを併設。自らのマーケティング知識を活かし、学生たちが親しみやすい学習塾づくりを行いました。

学生のうちに経験する社会との接点が、学生たちをまたひとつ成長させる

近年では、大学の一般入試などの試験方式が多岐にわたっており、難易度も高くなっていると言う白石さん。

「例えば、難関私立でいうと関関同立や早稲田、慶應やマーチなどは、やはり学生にとって難しいと言えます。」

※マーチ(MARCH)・・・偏差値の高い大学群(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)。

だからこそ白石さんは、学生たちが受験に挑戦する前に、学校では教わらないような事を教えています。

「大学入試前には、学生たちがどのような想いでその学科を希望するのかを知るためにも、学生と一緒に、学科に関連する企業の社長さんにヒアリングを行ったりしています。これによって学生たちは、”実際の現場の人はこういう風に考えている”という、先生たちも知らないような内容を含むプレゼンテーションができるようになります。」

白石さんが経営する学習塾では、学生たちが希望する学科に合格するという目的のために、積極的な企業訪問を行っています。その他、生徒たちが希望する学科に合わせて、社会との接点づくりも大切にしているそう。

「例えば、経済学部に入学した学生には、新居浜市内中のドラッグストアとコンビニを一軒一軒、購入する商品をあらかじめ決めた上で、お母さんと車で回ってもらい、お店によってこれだけの価格差があるんだというのを把握してもらいました。」

「自らの足で回った結果、経済に興味を持ったというストーリーを面接やグループディスカッション、プレゼンテーションではっきりと意見することができるようになります。この試みは、学生たちにとってかなり良かったと思います。」

受験対策だけでなく、学生たちが進学前に社会との接点を持つことで、大学卒業後の目標もより明確になります。ひとつ上の視点を持った上で過ごすキャンパスライフは、人生においても大きな差を生むことでしょう。

これから社会に出る学生たちが身につけておきたい”生きるチカラ”とは

学校に関して、新居浜市という地域特有の問題点は特に感じないという白石さん。

「むしろ学生個人の問題があります。自分の将来設計をどうするのかということです。勉強をする以外にも、その子の将来設計を考えてあげられるほうが良い塾なのではと思っています。」

学生たちは、”何かを見つけたい”という想いを持っていると語ります。

「私もそうでしたが、高校生の時に”将来こんな職業に就く”というのは全然検討もつかないものです。それは、みんなそうなんですよ。今の高校生も自分がこうなりたいというものを見つけていないんですね。でも、見つけたいという気持ちはすごく持っているんです。」

一昔前の時代は、評価の高い学校を卒業し、知名度のある企業に就職することが良いとされてきました。しかし現代においては、大企業のサラリーマンや公務員ですら、当時からは予想もできないぐらい不安定だと言います。

白石さんの視点から、これから学生たちが生きていく中で身につけるべきスキルや考え方について伺いました。

「サラリーマンや公務員、会社経営者などの働き方に関係なく、自分が職を失った時に、”それでもお金を稼ぐ力を持っている”。これが一番の安定なのではないかと考えています。」

「例えば理系の人で、知能工学に興味がある人はそれを高めるべきでしょう。文系で経済を学びたい人は、それこそ私もやってきたマーケティングに関する知識さえ身に着けていれば、いずれ仕事がなくなったというときも、自分でお金を生み出せるはずです。」

時の流れと共に、”安定”という概念が変化する現代。学生たちのこれからにとって、どんな時においてもお金を生み出せるスキルや考え方が大切であると語ってくれました。

明確になる社会的貢献の目線。自分が生まれ育った”新居浜市”に貢献したい

新居浜へのUターンを機に、24歳という若さで学習塾を立ち上げた白石さん。学習塾をスタートした最初の頃は、”地元に貢献する”という想いはなかったといいます。

「そうですね、最初はやはり自分の生活の為にというか、必死でしたので、何も考えることができなかったです。地元のために何かしたいという気持ちは、正直に言うと最初の方は全然なかったんですよね。」

そんな白石さんですが、事業が軌道に乗り、学生の数が徐々に増えていく中で、本当に進路や学業に困っている学生たちを何とかしたいという思いに駆られたそう。

「自分で言うのはおこがましいんですが、この4、5年で事業を社会貢献的な目線で見ることはやはり多くなりました。自分の地元ですし、自分が生まれ育った地域のために貢献したいという想いがあります。」

基本は一人ひとりの将来に向き合いたいという白石さん。地元への想いを胸に新居浜の学生たちを導きます。

「私が見てあげられる学生の人数は限られているので、誰でも受け入れる訳にはいきません。高校三年生は、夏ぐらいになれば定員オーバーになってしまうので、私の想いに共感してくれて、学習塾をやりたいと言っていただける方がおられましたら、ぜひ一緒にやっていきたいと思いますね。」

学生たちのお兄ちゃん的な存在であり、マルチな活動を通して新居浜市に貢献する白石さん。今後の白石さんの新しいチャレンジから、新たな変化が生まれる瞬間を楽しみに待っていたいと思います。

(取材協力)

-白修学院-